11月のピックアップメニュー‏

富皮1

湯葉とハタの土鍋煮込み

富皮魚鍋(フゥピィユイグオ)

 

「ハタ」は中国料理で最も高級とされ、人気の高い魚です。中国料理に使用する海鮮の代表的食材と言っても過言ではありません。

 

ひと口に「ハタ」と言ってもマハタやマダラハタ、アカハタなど実に数多くの種類があって、姿・形は似ていますが、種類ごと・個体ごとに味が違うことも魅力の魚です。

 

この料理では、中国の沿岸や朝鮮半島にも分布しているキジハタを使っています。

 

その「ハタ」をXO醤とともに土鍋でじっくり煮込み、パリパリに揚げたユバをそのスープに浸し、スープの旨味をたっぷりと吸い込んでシンナリしてきたところを食します。

 

中国のなかでも寒い東北地方には、揚げたユバをしゃぶしゃぶのようにスープに浸してタレを付け、シンナリしたものを食べるシンプルな料理があります。

塚田眞弘著 『至福の中華』 コスモトゥーワン刊より 風水改運中心 amazon

中華楼2014年3月のピックアップ 宮保鶏丁

鶏肉とカシューナッツの唐辛子炒め

 

宮保鶏丁(グォン バオ ヂィ ディン)

 

「鶏丁」とは鶏肉をサイコロ状(さいの目切り)に切ったものです。

 

鶏肉を丁切りにして下味を付け、唐辛子の輪切りとともに醤油、砂糖、お酢のベースで炒め上げた、「一度食べたら忘れられない心地よい辛さ」の料理です。

 

副材料として、カシューナッツやピーナッツを入れることにより「立った辛さ」が中和され、絶妙なバランスに仕上がっています。さらに、エビとナッツの食感の落差も楽しめます。

 

この味付けでエビを炒めれば「宮保蝦仁」という料理になり、その他にも「宮保墨魚(イカの宮保炒め)」や「宮保牛肉」(牛肉の宮保炒め)が知られています。

 

ちなみに「宮保」とは、清の時代の官職名です。四川総督の丁宝禎が清朝から「太子少保」の略称で「宮保」という官職に就きましたが、彼が好んで食べていた料理だったことから、この名が付いたと言われています。

 

「宮保」は、「宮爆」「公保」という表現になっている店もあります。

 

 

塚田眞弘著 『至福の中華』 コスモトゥーワン刊より 風水改運中心 amazon

中華楼2014年2月のピックアップ 魚香茄子

ナスと豚肉の四川風辛味炒め

 

魚を使わないのに「魚香」という料理名なのは、なぜでしょうか? 様々な説が、もっともらしく語られています。

 

泡辣醤(パオラージャン=フナを塩漬けにして魚の香りが移った唐辛子のタレ)を調味料として使うところからきた、という説。

 

また、魚の生臭さを消そうとして、料理のときに泡辣醤と生姜・葱・酢・砂糖・醤油等を入れたところ生臭さが消え、逆に味がほどよく調和して美味だったことから、この味付けを「魚香」と名付けた、という説。

 

さらに、四川では海の魚が獲れないので、なんとか海の魚の香りを調味料の組み合わせで創り出すことができないかと研究を重ねた結果、その味を出すことに成功し「魚香」と名付けられた、という説もあります。

 

代表的なのは、ナスを使った料理です。一般的にはナスだけを「魚香」の味付けにして提供しますが、中華楼では味わいを深めるために豚肉の細切りを、そして食感の違いを楽しめるようにタケノコも合わせています。

 

塚田眞弘著 『至福の中華』 コスモトゥーワン刊より 風水改運中心 amazon

中華楼 2013年12月のピックアップ 富皮魚鍋

ユバとハタの土鍋煮込み

 

「ハタ」は中国料理で最も高級とされ、人気の高い魚です。中国料理に使用する海鮮の代表的食材と言っても過言ではありません。

 

ひと口に「ハタ」と言ってもマハタやマダラハタ、アカハタなど実に数多くの種類があって、姿・形は似ていますが、種類ごと・個体ごとに味が違うことも魅力の魚です。

 

この料理では、中国の沿岸や朝鮮半島にも分布しているキジハタを使っています。

 

その「ハタ」をXO醤とともに土鍋でじっくりと煮込み、パリパリに揚げたユバをそのスープに浸し、スープの旨味をたっぷり吸い込んでシンナリしてきたところを食します。

 

中国のなかでも寒い東北地方には、揚げたユバをしゃぶしゃぶのようにスープに浸してタレを付け、シンナリしたものを食べるシンプルな料理があります。

 

この食べ方は一般的なものではなく、中国でも珍しい料理の部類に入ります。

 

 

塚田眞弘著 『至福の中華』 コスモトゥーワン刊より 風水改運中心 amazon

中華楼 2013年5月のピックアップ 糖醋里脊(タンツウリィチィ)

柔らかな豚ヒレ肉の酢豚

 

「酢豚」という名で日本人に人気のあるこの料理、実は和製中国語です。ですから中国では通じず、実際は広東語表記で「?咾肉」、または北京語表記で「糖醋肉塊」と呼びます。

 

広東語の?咾肉は、モグモグ食べるという擬態語です。中華楼では「糖醋里脊」という料理名で、豚のヒレ肉の揚げものと野菜を甘酢の「あん」に絡めたものになっています。

 

ちなみに、豚は中国では「猪」と書き、例えば豚肉だったら猪肉となります。日本における猪は、中国では「野猪」と表現します。

 

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中華楼 2013年4月のピックアップ 乾焼蝦仁(ガン シャオ シャレン)

エビのチリソース煮

乾焼蝦仁は、いわゆる「エビのチリソース煮」のことです。

この料理は、もともと四川料理なのですが、そら豆に唐辛子を加えて熟成させた豆板醤を隠し味としてピリ辛感を引き出します。

また、砂糖とともに、もち米に麹(こうじ)を加えてから発酵させた天然甘味調味料の「酒醸(ジュウニャン、甘酒の意)」を使っているので、コクと奥行きが生まれます。

エビ独特の臭みを取り除き、香りだけ残す「片栗粉洗い」という下処理を丁寧にするのが、この料理のポイントです。このような地道な仕込みがあってこそ、おいしい料理が生まれるのです。

ちなみに「乾焼」とは、汁気がなくなるまで煮込んで、スープの旨味を極限まで染み込ませる、という調理法です。

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中華楼 2013年3月のピックアップ 木須肉(ムースーロー)

豚肉とキクラゲ & 玉子の塩味炒め

 

この料理名を見て、「玉子とキクラゲと豚肉の炒めもの」と想像できる人は、少ないのではないでしょうか。「木須」は中国語でムースーと読みます。本来、キンモクセイを意味する「木犀(ムースー)」を使うべきなのですが、字が書きにくいことから同じ発音の「木須」に書き換えられ、これが一般化したのです。

 

金木犀(キンモクセイ)という花は、黄色みがかったオレンジ色。ですから「木須」は、かき卵の色が黄色で美しいことを表現しています。玉子炒めの色彩が金木犀の花の色を彷彿とさせることから、キンモクセイのような玉子料理→木犀肉となったわけです。

 

本格中国料理店の木須肉では、乾燥ユリの花びら(金針葉)と、アクセントとしてキクラゲ(木耳=ムーアール)を使用することが基本です。

 

強火で一気にフワッと炒め込む、職人の技が問われる料理として知られています。

 

 

塚田眞弘著 『至福の中華』 コスモトゥーワン刊より 風水改運中心 amazon

中華楼 2013年2月のピックアップ 油淋鶏腿(ヨウ リン ヂィ トェイ) 

ひな鶏の腿肉唐揚げ 焼葱ソース掛け

 

あっさりとしていて美味しい味付けの正体は、醤油・砂糖・酢・ゴマ油・葱・生姜で作った甘酸っぱい「焼き葱ソース」です。

 

日本の中華料理店では、いつしか、このソースのことを「油淋ソース」と言い始めてしまい、業界が混迷しています。実はこのソースが「油淋」なのではなく、調理法が「油淋」なのです。

 

カラッと揚がった鶏肉のタレがほどよく調和し、一口噛めばパリッとした皮の歯ごたえで、ソースがよく絡み口の中に美味しさがジュワッと広がります。

 

塚田眞弘著 『至福の中華』 コスモトゥーワン刊より 風水改運中心 amazon