中国研修で発見したナツメ

こんにちは。中華楼4代目素久です。

 

先日友人たちと同窓会で、横浜中華街に出かけ、食事を思いっきり楽しみました。全員で円卓3台を使用して、たくさんの料理を並べ、紹興酒・白酒などの中国酒もたくさんいただき、新たな味の発見や中華の美味しさをしみじみと感じました。その帰りの電車で、ふと思い出したことがあります。それは中華楼のスタッフ全員で中国に赴き、本場中国の料理を研究した研修です。

 

中華楼ではこの研修を定期的におこないます。広州をはじめ、北京や西安にも行きました。実際に老舗中華料理店の厨房に入り、料理技術はもちろん、味付けや調理過程、盛り付けなど、中華料理店のすべてを支配人や調理長からじきじきに学びます。

 

さらに特徴的なのは、みんなで食事をすることです。それはただの食事ではありません。本場中国に来ていますので、事前に調査した有名店や人気店、老舗に入ります。そこで、味の研究をしたい料理をすべて注文します。それこそ全員でも食べきれない量になってしまいます。(結局、なんだかんだで、みんな中華が大好きなので食べてしまいますが。。)

 

朝ごはんはお粥や麺など軽いものにするので、このように大量に食べるのは1日に2回。研修中には最低でもそのような食事を10食以上食べます。その時の料理数は約200皿。(みんな鉄の胃袋をもってますね。。)この200皿にもおよぶ料理の味や、厨房での経験をいつもの中華楼に持ってきて、皆様のお口に合うよう、さらに研究を重ね、いつもの中華楼のメニューや月のオススメに加えます。中華の魅力はいろんな味を楽しめるということ。もちろん少ない人数よりは多い人数でいただくほうが、いろんな味を堪能できるというのも中華の魅力。食べ切れなければ、お持ち帰りも出来ちゃいます。

 

研修で北京に行ったとき、いい食材を求めて食のプロが集まる市場に行きました。ものすごい熱気の中、色鮮やかな食材や香りの高い食材を試食しながら、とてもおいしいナツメを見つけました。みんなでおいしいと喜んでいたら、そこにいた店員さんが「その味がわかるなら、ナツメ専門の店に行くといい」と、少し離れたところにある専門店を紹介してくれました。そこにいくとさらにビックリ、本当のナツメはこうなのかと、目から、いや舌からウロコが何枚も落ちました。それは新疆ウイグル自治区で栽培され乾燥されたナツメで、甘さと香りと肉厚感がまったく別の次元なのです。普通のナツメの歯ごたえが「昔の安い学食の焼肉」としたら、そこで食べたナツメは「現代の高級フレンチのフィレステーキ」ぐらい違うのです。

 

そのナツメはとても特別なので、いまちょうど春の宴席プランの5000円のコースに出てくる杏仁豆腐に使用しています。こちらにその写真があります。遠くにおいてある杏仁豆腐にちょこっと載っているのがそのナツメです。ぜひお試し下さい。
http://chukarou.com/wp/menu/course

 

今月もスタッフ達が精魂込めて仕上げた新しいオススメ料理が登場しています。中華楼に来られたときに、いままで見たことも聞いたこともない料理がありましたら、まず注文してみてくださいね。それは研修旅行とスタッフ達の日々の努力の賜物なんです。

 

 

 

美味しさと生き生きさ~ハートが開く花茶

こんにちは、中華楼四代目素久の妻、アキです。

 

春がだんだん近づいてきて、大分暖かくなりましたね。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。今年は例年より桜の開花が早かったので、先日家族で花見をしました。日向ぼっこしながら、花見ができてとても気持ちよかった。毎年桜を眺めるのに、どうして飽きずにそのたびに美しいなと思ってしまうのでしょう。春になると桜の命が芽吹く、その生き生きした雰囲気に秘密があるのかもしれません。

 

料理の難しさのひとつに、美味しさと同時に生き生きとした雰囲気をどう込めるのかがあります。料理人は同じ味を作り続けます。それだけでも難しいのですが、それと同時に生き生きとした雰囲気をどの料理にも込めなければなりません。それはただ単に同じ量の材料と同じ量の調味料を、同じタイミングに入れるだけではできません。それはどれほど凄いことかと思います。スタッフの皆さんにいつもおいしいことと、生き生きさがどのように両立するのかを聞きました。

 

すると麺点師の茂木さんが言いました、普通、ひとつの料理を美味しくするというのは、人それぞれ。食べるほうもその日の体調による。作るほうも同じ。作るたびに料理の熱さや香りの立ち方に気を配りながら、そのときその場の最善を尽くすしかない。

 

料理長の岩井さんが言いました、生き生きさというものは料理への信念によって生まれてくるものだと思う。料理人の頭の中に理想的な完成された料理のイメージがあって、それにきちんと合っているかどうか。生き生きさが失われた料理というのは、そのビジョンから何かが欠けているからそうなるんだと思う。

 

副調理の富田さんは、朝のスタートから、仕込みから、一日の作業がスムーズに行くかどうかセッティング次第だと思うと言いました。その流れに乗ると、うまく行っている感じになる。もしかしたら自己満足かもしれないけど、それにうまく乗れているときは、料理の色、味、バランスなんかがうまく行き、おいしい料理ができて、生き生きさも生まれる。そのリズムに乗るために準備のときから完璧にやることが一番だと思う。

 

主人の素久は、どんな種類のお店でも、お客様がご来店いただくときよりも、出て行くときの方が明るい顔をしているように、陽のエネルギーで接するのが一番大事だといいました。中華楼も雰囲気を含めて楽しい陽のエネルギーに満ちた伝統中華を食べていただき、お店を出るときにはお客様がいい笑顔になっていることを常に目指さなければならない。だから毎日続けるというのは、ただ繰り返すルーチンの意味じゃなくて、毎日同じ陽のエネルギーに満ちたいいテンションを持っていることが大切。中華楼にはもう一つ、お客様が気持ちよくお食事をしていただけるように、伝統的な風水で環境を完璧に整えていることも、他のお店にない最高の環境を提供するための工夫。これらの相乗効果が生まれるように、スタッフは気を配るべき。

 

主人の言葉を聞いて、確かにそうだねと思いました。風水という言葉が話に出ましたけど、皆さんご存知のように中華楼の内装も中国の伝統的な正統派風水を取り入れています。気の流れのバランスがとれて、お客様がより落ち着いて、美味しくお食事できるような環境を心がけています。次回はそれについて書くつもりです。

 

ところで、以前人気のあった花茶の販売を4月から再開することにしました。今回の花茶は以前のものよりさらにグレードアップされ、お花を包んだお茶をジャスミン茶で作ってもらいました。ここでご紹介しますね。

 

 

これがパッケージされた状態です。小さいのでハンドバッグやポーチに入ります。

 

 

パッケージから出すと、実はこの花茶、ハートの形をしています。ほらなんかワクワクするでしょう。この花茶にお湯を注ぐと、ハートが開いていくんですよ。

 

できあがりはご自分でやってみてください。パッケージにあるようにお花がふたつ出てきます。うまく開くかどうかで恋占いとかできるかも。はずれはほとんどなしね。必ず開くから。(笑)

 

お湯は絶対沸騰したばかりのアッツアッツを入れて下さい。ぬるいお湯だと開くのに時間がかかります。目に楽しく、鼻に優しく、口においしい花茶をぜひご賞味下さい。

 

 

中華楼 2013年4月のおすすめメニュー

一品


沙津魚片 1500円

白身魚のハタと新じゃがいものマヨネーズ和え

 

花椒鶏腿 1500円

鶏モモ肉の山椒風味ピリ辛炒めサラダ仕立て

 

青菜海螺 1600円

つぶ貝と中国野菜の塩味炒め

 

 

おつまみ

酸辣白蘿蔔 550円

大根の甘酢漬け

 

油淋魚片 650円

キスのさっぱり薬味ソースかけ

 

胡葱叉焼 650円

叉焼とネギとキュウリの醤油味和え

 

 

お食事

金針肉絲麺 900円

豚の細切り肉と金針菜の炒めかけのおそば

 

番茄牛肉炒飯 1000円

トマトと牛肉のあんかけ炒飯

 

中華楼 2013年4月のピックアップ 乾焼蝦仁(ガン シャオ シャレン)

エビのチリソース煮

乾焼蝦仁は、いわゆる「エビのチリソース煮」のことです。

この料理は、もともと四川料理なのですが、そら豆に唐辛子を加えて熟成させた豆板醤を隠し味としてピリ辛感を引き出します。

また、砂糖とともに、もち米に麹(こうじ)を加えてから発酵させた天然甘味調味料の「酒醸(ジュウニャン、甘酒の意)」を使っているので、コクと奥行きが生まれます。

エビ独特の臭みを取り除き、香りだけ残す「片栗粉洗い」という下処理を丁寧にするのが、この料理のポイントです。このような地道な仕込みがあってこそ、おいしい料理が生まれるのです。

ちなみに「乾焼」とは、汁気がなくなるまで煮込んで、スープの旨味を極限まで染み込ませる、という調理法です。

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