美味しさの秘密

こんにちは。4代目素久です。

 

今回は90年続く中華楼のおいしさがどのようにして生まれるのか、その秘密の一端をご紹介いたしたいと思います。初代、先々代と継承してきた秘密なので、なかなか書ききれるものではないのですが、まだ若い僕でも書くことができる範囲で、ご紹介できることはここに次第にご紹介していこうと思います。

 

『中華楼について』にも書いていますが、当店では料理人をはじめそこに関わる人がみんな毎日食べても飽きない、そして健康に良い料理を目指しています。それは、まずひとつは、調理油に動物性油は一切使わず、植物性油のみを使っているということです。このことによってコレステロールを気にしないで、おいしく、たくさん食べることができるのです。中華をたくさん食べた次の日の朝は、胃がもたれるとか体の調子がいつもと違うとかよく聞きます。それはきっと調理油が動物性油を使用しているため消化に時間がかかったり、融点が高い油のため、体温が低めのかたが食べると血管が詰まり気味になったりして体調に影響を与えるからだと考えられます。

 

和食などと比べ、中華料理では油を多く使います。それが中華のおいしさでもあり、魅力でもあるのですが、使う油が血管に溜まると言われる動物性油では、そのときはおいしく感じるかもしれませんが、体にはあまり良くないと考えられます。中華の基本は医食同源。体に悪影響を与える可能性があるものはお勧めできません。中華楼では野菜やお肉なども、健康が維持増進できる良品を吟味して使います。以前『中華楼自家製麺の秘密』でも書きましたが、わざわざ手間のかかる自家製麺にしているのも、余計な添加物が入るのを防ぐという理由からです。麺自体をおいしくするのはもちろん、それを召し上がる人たちの健康も最大限考慮した上での選択です。中華楼の代々目指している『毎日食べたい本格派』というのは、味の追求と同じくらい、いや、それにも増して、からだに良いであろう食材の研究・追及をしていく心意気の表現なのです。

 

チャーハンを作るとき、一般的にはラード(動物性油)を使います。熱した鍋にラードを入れると、ジュワっと香ばしい香りがたって食欲をそそります。でも、中華楼はそのチャーハンでさえも植物性油を使っています。ですので、中華楼のチャーハンは、一般的なチャーハンとは違います。それは『からだにもおいしい』チャーハンになっているのです。『からだにもおいしい』料理は舌で感じる美味しさとはまた違ったものです。それはたとえばおなかいっぱい食べたはずなのに、すぐに消化されてからだが軽くなったり、何か運動すると普段よりスムーズに感じたり、そういう些細だけど大切な場面で現れてきます。

 

次回中華楼にいらっしゃるときには、植物性油を使っている『からだにもおいしい』中華楼の味を改めて堪能してみてください。きっとおなかいっぱい食べたのにすぐにまた食べたいと思ったり、普段の運動や作業が楽になったり、そういうところに効果が現れるはずです。

 

今月から90周年の九龍菜や毎年恒例、中華楼伝統の冷やし中華(涼麺)が始まっています。これらのメニューももちろん植物性油で作っています。みなさんの口福(美味しさ)が、継続的な幸せに至る(至福)ように、スタッフ一同切磋琢磨しております。