中華楼 2013年8月のピックアップ 麻婆豆腐

ニラ入りマーボー豆腐

 

古い歴史のある中国料理ですが、実は麻婆豆腐は、そのなかでもかなり新しい料理です。清朝の時代、四川省の成都に陳さんというお婆さんが料理屋を営んでいました。陳婆さんの豆腐料理は大好評で、成都の名物料理になっていきました。

 

その陳婆さんの顔に「あばた(麻)」があり、いつからか「あばた(麻)のあるお婆さんの作る料理」という意味から「麻婆豆腐」と呼ばれるようになったそうです。

 

日本では葱を入れますが、本場の四川風麻婆豆腐では葉ニンニクを使用します。

 

また、今では中国でも豚挽肉を使いますが、そもそもは羊のたたき肉を使っていたのです。

 

麻婆豆腐の味付けの命は、そら豆に唐辛子を混ぜて発酵させた調味料「豆板醤」と、シビれるような刺激を与える山椒の調味料の品質、そして多彩な調味料のバランスにあります。豆板醤は四川省?県のものが最高ですが、日本には入荷がほとんどありません。中華楼では、麻婆豆腐のためだけに手運びで仕入れています。山椒は四川漢源の赤山椒(花椒)を使い、その風味は筆舌に尽くせません。日本でも中国でも出回っているのは、黒い山椒がほとんど。「赤い山椒があったなら借金してでも買いなさい」と言われるぐらい希少かつ貴重なものです。中華楼では、特別な人脈から分けていただいています。

 

 

塚田眞弘著 『至福の中華』 コスモトゥーワン刊より 風水改運中心 amazon